株式会社エフラボ

会社設立のきっかけ

もともとは、金沢で椅子の張替え・修理をしていたんです。15年くらい前に七尾市中島町を紹介してもらい、拠点を金沢から能登へ移しました。
椅子をつくる際、木部・生地張り・塗装の3工程は100%必要な工程です。拠点移動後すぐは、それらの工程を全て協力工場に依頼していました。しかし、運賃も納期もかかるため、自社でできたらいいなと思っていました。そこで、買取った元縫製工場が平屋ですごく広かったので、木工所と塗装場をつくろうと言って、職人はいなかったのですが、先に仕事ができる環境をつくりました。

建具の町、田鶴浜町

工場設備を全て整えた後、隣の七尾市田鶴浜町は建具づくりが盛んな町で、職人がたくさんいることに気がつきました。そこでまず、田鶴浜町の職人OBから採用をしたんです。シルバー人材センターという看板を通して、木部や建具、塗装職人の募集をかけながら、後は知り合いのつてでお声をかけさせてもらって、何人か集まったところから現在の体制が始まりました。

日本最大の椅子再生工場

今では、国会議事堂や羽田空港、ディズニーランドの中にあるホテルの椅子等をつくらせてもらっています。すると、実績が段々独り歩きしだして、全国から依頼が来るようになってきました。2020年には東京オリンピックがあるので、ホテルの建設や改修に伴って、特注の家具や椅子づくり、修理の依頼等、いろんな形で要望が増えてきているんですよ。

求める人材、椅子職人希望者募集

基本的にはものづくりがしたいっていう方ですね。古いものを直して、また命を吹き込むところにやりがいを感じてもらえる方に来てほしいです。なんせ、新しいものを作っていくのと、直すというのはちょっと観点が違うので、そこに魅力を感じていただける方が一番いいかなという気はしますよね。 さらに、田んぼや祭り、釣りなど地元の方との交流を楽しみたい方がいたら、面白いかなと思います。社員の中にも県外から来られて、町営住宅や空き家に住んでいる方もいます。

働きやすさへの取り組み

うちの会社は、現在中途採用の社員だけですが、2017年4月から新卒として高校生も入ってきます。正社員もいれば時間給の方、シルバーの方もいるので、上は81歳までいます。稲刈りや祭りの時期なんかはお休みされる方が多いですね。 入社された方は、2カ月から半年くらいかけ、各部署を回ってもらいます。その後、私と面談をして、本人の意向と各部署の責任者の意見を聞きつつ定着してもらう感じになっています。年齢や性別に関係なく、働きやすい環境づくりに力を入れて取り組んでいます。

若い担い手と商品の付加価値

ものづくり自体の拠点が海外に流れるようになってきて、国内では職人不足になっています。社内でも外国人技能実習生を入れたらどうやという話もあったんです。しかし、地元の若い方が働けない会社をつくっても意味がないという思いがあったんですね。若い方を一人前の職人に育てて、海外にも負けないような、付加価値のある商品をつくり出していきたいと思っています。

日本の技術に対する思いと修理・特注の魅力

大手メーカさんでは決まった形の商品を量産するので、流れ作業でつくることができます。しかし、修理や特注品となると、毎回依頼される商品が異なるため、個別対応が必要になります。そのため、職人のアナログな仕事じゃないと対応できないんです。図面におこしにくい複雑な商品をつくるからこそ面白い。そこが日本独特のものづくりの良さであり、国内でつくる意味があると思っています。

今後の構想

様々な要望に対応するため、品質の見える化と作業効率を兼ね備えた工場を考えています。トラックに機械を配備し、職人とともに現地へ向かえる機動力のある小型工場。お店の椅子をその場で修理し、納品をすることができます。現地施工のため、うちの会社がどういう仕事をしているかをお客様に見ていただくことができます。
また、日本のものづくりの良さを海外にも発信しようと、商品ではなく「張替え修理の技術」を売ることも考えています。例えばグアムやハワイ等、観光地のホテルやレストランから依頼をいただき、うちの社員が現地に住みながら、椅子の張替え修理を行える体制をとりたいなと考えています。

事業データ

株式会社エフラボ
（本社）〒929-2214　石川県七尾市中島町小牧19、9番地3
TEL. 0767-66-2111
（第二工場）〒929-2233 石川県七尾市中島町笠師ワ部50番地（旧笠師保小学校跡地）
TEL. 0767-66-8067
（東京事務所）〒101-0031 東京都千代田区東神田1丁目2番8号
TEL. 03-6311-7153
HPhttp://f-labo.jp/

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