穴水町で暮らしてみませんか?

渡嘉敷 卓(とかしき すぐる)さん

穴水町出身。高校を卒業後、服飾系の専門学校へ。その後パン職人として県内外で修業を積み、穴水町へUターン。創業41年のパン屋を引き継ぐ。
(インタビュー:2017年2月)

服飾からパン職人へ。県内外での修業時代

元々、パン屋になるつもりは全然なかったんです。両親も家業のパン屋を継いでほしいとは言わず、自由な感じでした。金沢の高校を卒業してから、興味があった服飾系の専門学校へ進みました。その頃はデザイナーになりたかったんです。それから、実家に戻った20歳の時に、なんとなくの流れでパンの修業に出ることになりました。
有名なパン屋さんで修業をしようと思い、最初は富山県にあるお店で2年ほど働きました。違うパン屋もみてみたいと思い、小松市、金沢市、福井県のパン屋でも働いていました。

自分の原点穴水町で、パンづくりを一から見直す

パン屋勤めは、朝は早く、夜も遅い。結婚し、子供が生まれたことをきっかけに、家族や自分のためにも生活環境を変えようと、Uターンを決めました。
地元に戻ったことで、今まで経験を積んだパンづくりをもう一度原点にもどってやりたいと思い、自然の素材からつくる天然酵母でやろうと。天然酵母は果物や穀物などいろんなものから起こせるので、地元の素材を活かそうと思いました。イーストを使用した時には出ない、独特の酸味とフルーティーな味わいが特徴です。

穴水町産のワイン用葡萄で天然酵母を

穴水町には、能登で育てた葡萄からワインをつくっている「能登ワイン」という会社があります。その葡萄を使って酵母を起こしてみたいと思い、相談に行きました。ワインは一番目に実る葡萄だけを収穫して使用するそうです。その後に実った葡萄は、廃棄するか鳥の餌になるだけなので使って良いと言っていただきました。採ってきた枝葉付の葡萄から酵母を起こすと、しっかりとした元気の良い天然酵母が出来上がりました。

試作を積み重ねる日々

現在、イーストを使わず天然酵母だけでつくっているパンは、フランス生地系のパンやクレッセント、ベーグル、シュトーレンです。クロワッサンも試しているんですけど、発酵にすごく時間がかかるので、もっと時間を短縮できないか試行錯誤しているところです。食パンは改良中で、イーストを併用していますが、これからイーストの量を減らしていって、最終的には天然酵母だけでできるようにしたいです。
他にも、天然酵母はいろんなものに使えるんです。シフォンケーキに入れると、メレンゲを使ったときのずっしり感とは違い、しっとりもちもちでふわっと仕上がります。マフィンやクッキーでも試作品をつくっています。
酵母に関しては、違う種類の酵母との組み合わせを検討しています。ライ麦の天然酵母は味が結構強く出るので、風味がちょっと弱い葡萄と合わせて、まずはパンの基本であるバケットから試そうと考えています。

毎朝の天然酵母パンにこだわり、作業工程を工夫

天然酵母パンは誰でもつくることが出来ます。ただ、発酵にすごく時間がかかるし、種の管理にも手間がかかるんです。なので、特別なパンという形で出してるパン屋は何軒かあると思いますが、毎日通常メニューとして開店時間から店頭に並べているお店はほとんどないと思います。
うちでは作業工程を研究し、通常の勤務時間内に天然酵母のパンをつくれるレベルまで持ってきてるんです。冷蔵発酵という工程を入れて、朝7時にはバケットが焼きあがるように工夫しています。

天然酵母パンを地元の日常の味へ

天然酵母パンの味を日常に広めたいなと思っているんです。うちのパンを普段から食べている地元の方が、他のパン屋さんでバケットを食べた時に「なんかいつも食べているのと違うな」って思ってもらえるところを目指したいです。常に有名なパン屋さんを意識して、そこに負けんぐらいのパンをつくろうという想いでやっています。

メルヘンベーカリー
〒927-0027 石川県鳳珠郡穴水町川島キ115
TEL:0768-52-2511
営業時間:7:00~19:00
定休日:日曜日
フェイスブックページ @marchenbakery

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